メーカー別に見る車の「持病」とは?中古車購入前に知っておきたい故障傾向と対策
2026.09.11
中古車を探していると、
「トヨタなら絶対に壊れないですよね?」
「このメーカーは故障が多いと聞いたけれど、本当ですか?」
「買ってから高額修理になる車は避けたい」
といったご相談をいただくことがあります。
人間に体質や持病があるように、車にも特定の年式や型式で起こりやすい故障や不具合があります。
ただし、最初にお伝えしておきたいのは、今回ご紹介する内容が、
そのメーカーのすべての車に当てはまるわけではないということです。
同じメーカーでも、車種、年式、エンジン型式、走行距離、これまでの整備状態によって故障リスクは大きく異なります。
大切なのは、単純に「このメーカーはダメ」と決めつけることではありません。
その車がどのような弱点を持っているのかを購入前に確認し、必要な対策を行うことです。
今回は、長年中古車販売と整備に携わってきた経験をもとに、国産メーカー別に注意したい代表的な「車の持病」と、その対策について解説します。
動画でも詳しく解説しています。
▶ メーカーが本当は教えてくれない各メーカーの車の持病を動画で見る
車の「持病」とは?
車の持病とは、特定の車種、年式、エンジン、トランスミッションなどで、比較的発生しやすい故障や不具合のことです。
代表的なものには、次のような症状があります。
エンジンオイルの異常な減少
エンジンやトランスミッションからの異音
CVTの振動や変速不良
DPFへのススの蓄積
エンジンからのオイル漏れ
塗装の剥がれ
エアコンや電装部品の故障
もちろん、対象車が必ず故障するわけではありません。
反対に、一般的に壊れにくいといわれる車でも、オイル交換などのメンテナンスを怠れば故障する可能性は高くなります。
中古車では、メーカーや車種だけでなく、前のオーナーがどのように管理してきたかまで確認することが重要です。
中古車選び全体の注意点については、こちらも参考にしてください。
▶ 初めて中古車を買う方が確認したい購入前・契約時・購入後のポイント
トヨタ|2AZエンジンのオイル消費に注意
「壊れにくい」というイメージが強いトヨタにも、特定の年式や型式で注意したい症状があります。
代表例が、2005年頃から2014年頃までの一部車種に搭載されていた、2.4Lの「2AZ-FEエンジン」です。
このエンジンでは、エンジンオイルの消費量が多くなる症状が報告されました。
搭載されていた主な車種には、次のようなものがあります。
エスティマ
アルファード
ヴェルファイア
RAV4
ヴァンガード
カムリ
ブレイド
ただし、同じ車種でも年式、型式、生産時期によって対象かどうかが異なります。
また、すでに対策済みのエンジンへ交換されている車もあります。
中古車として購入する場合は、車名だけで判断せず、車台番号、エンジン番号、整備記録、メーカーでの対応履歴を販売店やディーラーに確認しましょう。
動画ではエンジン刻印の見分け方もご紹介していますが、刻印の位置が分かりにくく、記号によっては生産番号まで確認する必要があります。
番号だけで自己判断せず、専門家へ確認することをおすすめします。
トヨタ車を選ぶときの対策
エンジンオイルの量と汚れを確認する
オイル交換履歴を確認する
エンジン始動後の異音や排気ガスを確認する
メーカーによる修理・交換履歴を確認する
該当する型式か販売店やディーラーへ問い合わせる
トヨタ|パールホワイトの塗装剥がれ
一部のトヨタ車では、ホワイトパールクリスタルシャインの塗装が、シートをめくるように剥がれてしまう症状も見られました。
代表的な車種としては、20系アルファード・ヴェルファイア、ハイエース、オーリス、iQ、カローラルミオンなどが挙げられます。
過去にはメーカーによる保証期間延長も行われましたが、古い車両では対応期間を過ぎている可能性があります。
一度再塗装した車でも、再塗装していない別のパネルから剥がれが発生するケースがあるため注意が必要です。
パールホワイト車を選ぶときの対策
ルーフやボンネットの端を確認する
バックドアやフェンダーの塗装状態を見る
再塗装歴とメーカー対応歴を確認する
保証期間と現在の対象状況を確認する
将来の再塗装費用も考慮する
中古車は色によって、塗装の維持費だけでなく売却価格も変わります。
日産|CVTの振動・異音
一部の日産車では、CVTからジャダーと呼ばれる振動が出たり、走行中に異音が発生したりするケースがあります。
また、車種やエンジン型式によっては、ピストンリングの摩耗やタイミングチェーン周辺からの異音にも注意が必要です。
CVTは内部構造が複雑で、不具合が進んでから修理すると費用が高額になることがあります。
日産車を選ぶときの対策
発進時にガクガクした振動がないか確認する
加速時に回転数だけが不自然に上がらないか確認する
走行中にうなり音や異音がないか確認する
CVTフルードの点検・交換履歴を確認する
車種指定のフルードと整備方法を守る
CVTフルードの交換時期や方法は、車種や状態によって異なります。長期間交換していない車に一律で交換を行うと、かえって不具合につながる可能性もあるため、専門設備のある整備工場へ相談してください。
ホンダ|塗装の傷つきやすさ
ホンダ車は、エンジン性能や走りの良さに定評があります。
一方で、車種や塗装色によっては、塗装が傷つきやすい、磨き作業が難しいと感じることがあります。
特に黒系のボディカラーは、細かな洗車傷や磨き跡が目立ちやすいため、きれいな状態を維持するには丁寧なお手入れが必要です。
ホンダ車の塗装を守る対策
新車または購入直後にコーティングを検討する
硬いブラシによる洗車を避ける
汚れたタオルで強くこすらない
磨き作業は経験のある専門店へ依頼する
中古車購入時は光の当たる場所で塗装を確認する
コーティングは、施工すれば絶対に傷が付かなくなるものではありません。保管環境や洗車頻度も含めて、適切な施工内容を選びましょう。
マツダ|ディーゼル車のDPF詰まり
マツダのクリーンディーゼル車は、力強いトルクと優れた燃費が魅力です。
一方で、短時間の走行を繰り返す使い方では、DPFにたまったススを十分に燃焼できず、警告灯の点灯やエンジン不調につながることがあります。
特に注意したいのは、次のような使い方です。
近所への買い物が中心
1回の走行時間が10分程度
低速走行が多い
長時間のアイドリングが多い
エンジンが十分に温まる前に停止する
ディーゼル車そのものが悪いわけではありません。
高速道路や長距離移動が多い方にとっては、燃費が良く、トルクもある魅力的な選択肢です。
しかし、街乗りや短距離移動が中心なら、ガソリン車の方が使い方に合っている可能性があります。
マツダのディーゼル車を選ぶときの対策
普段の1回当たりの走行距離を考える
DPF警告灯の点灯履歴を確認する
エンジンオイルの交換履歴を確認する
定期的に一定時間の連続走行を行う
短距離中心ならガソリン車も比較する
スバル|古い水平対向エンジンのオイル漏れ
スバルは、アイサイトをはじめとする安全性能や四輪駆動性能が魅力です。
一方、年式の古い水平対向エンジンでは、シールやパッキン部分からオイルがにじんだり、漏れたりするケースが比較的多く見られました。
最近のモデルでは以前より改善されていますが、古いスバル車を購入する場合は、エンジンの下側まで確認することが重要です。
スバル車を選ぶときの対策
エンジン下部のオイルにじみを確認する
駐車場所にオイル跡がないか確認する
下回りをリフトで点検してもらう
修理履歴やパッキン交換歴を確認する
古い車では将来の修理費も予算に含める
三菱|旧型GDIエンジンのアイドリング不調
旧世代の三菱GDIエンジンでは、カーボンの蓄積などによってアイドリングが不安定になるケースがありました。
また、一部のエンジンでは、アルミ製エンジンブロックの状態にも注意が必要とされています。
ただし、近年の三菱車、特にアウトランダーPHEVなどは電動化技術が大きく進化しており、旧型車のイメージだけで現在の三菱車を判断するべきではありません。
重要なのは、メーカー名ではなく、検討している車の年式、型式、エンジンを個別に確認することです。
ダイハツ|KFエンジンのオイル管理
ダイハツの一部KFエンジンでは、オイル上がりやタイミングチェーンテンショナー、ウォーターポンプなどの不具合が見られることがあります。
ただし、近年のモデルでは改善された部分も多く、軽自動車としての価格、使いやすさ、維持費のバランスは優秀です。
中古の軽自動車を選ぶ際には、メーカーだけでなく、オイル交換履歴と現在のエンジン状態を確認しましょう。
故障リスクの少ない軽自動車については、こちらでも詳しく解説しています。
スズキ|特にターボ車はオイル交換が重要
スズキ車では、特定の年式や型式で冷却系、エアコン、マニュアルトランスミッションなどの不具合が見られることがあります。
なかでも注意したいのが、エンジンオイルの管理です。
特に軽自動車のターボエンジンは、少ないオイル量で高温・高回転の環境にさらされます。
オイル交換を長期間怠ると、タービンの潤滑不良やエンジン内部の損傷につながる可能性があります。
スズキ車を長く乗るための対策
メーカー指定の時期にオイルを交換する
使用状況に応じて早めの交換を検討する
ターボ車は特に交換時期を守る
オイル漏れや減少がないか確認する
異音や白煙が出たら早めに点検する
当店では一つの目安として5,000kmごとのオイル交換をご案内していますが、適切な時期は車種や使用状況によって異なります。取扱説明書やメンテナンスノートも確認してください。
レクサス|故障は少なくても修理費は高くなりやすい
レクサスは、メーカー特有の致命的な故障が比較的少なく、全体として高い信頼性を持つ車です。
ただし、高級車ならではの注意点があります。
使用されている部品や電子装備の価格が高いため、一度故障すると修理費が高額になりやすいのです。
例えば、ハイブリッド車の電動エアコンコンプレッサーやセンサー、電子制御部品などは、一般的な国産車より高額になる場合があります。
中古のレクサスを購入するときは、車両価格だけでなく、保証内容や購入後の修理費まで考えて選びましょう。
「持病がある車=買ってはいけない車」ではない
ここまで各メーカーの代表的な故障傾向を紹介してきましたが、持病があるからといって、その車を絶対に買ってはいけないわけではありません。
不具合が起こりやすい箇所を知り、
対策済みの車を選ぶ
整備履歴を確認する
購入前に専門家が点検する
適切なメンテナンスを続ける
ことができれば、故障リスクを抑えられる可能性があります。
一方で、価格の安さだけで選び、整備履歴や納車整備を確認しなければ、購入後に思わぬ修理費が発生することもあります。
安すぎる中古車に不安を感じている方は、こちらの記事もご覧ください。
中古車購入前に確認したい7つのポイント
気になる中古車を見つけたら、最低限、次の項目を確認しましょう。
車種・年式・型式ごとの故障傾向
エンジンオイルの交換履歴
メーカーのリコールやサービスキャンペーン
エンジンやミッションからの異音
警告灯の点灯履歴
納車前に実施される整備内容
購入後の保証と相談先
中古車は、同じ車種、同じ年式、同じ走行距離でも状態が異なります。
走行距離が少ないから安心、見た目がきれいだから大丈夫とは限りません。どのように使われ、どのように整備されてきたかまで確認することが大切です。
まとめ|故障リスクを減らすには「知って選ぶ」こと
どのメーカーの車にも、得意な部分と注意すべき部分があります。
故障リスクを減らすために大切なのは、単純に「壊れにくいメーカー」を探すことではありません。
- 車種や年式ごとの弱点を知る
- 整備履歴の確かな車を選ぶ
- 対策済みかどうかを確認する
- 使用目的に合ったエンジンを選ぶ
- 購入後のメンテナンスを怠らない
この5つが重要です。
パレスオートセンターでは、展示場にある車を売るのではなく、お客様の使い方やご予算をお聞きしたうえで、全国のオークション会場から条件に合った一台をお探ししています。
価格や装備だけでなく、車種ごとの故障傾向や購入後の維持費まで考えてご提案します。
「この車種を買っても大丈夫?」
「なるべく故障リスクの少ない中古車を探したい」
「街乗り中心だけれど、ディーゼル車を選んでもいい?」
このようなお悩みも、購入を決める前にご相談ください。
その車を「買えるか」だけではなく、買ったあとも安心して乗り続けられるかまで一緒に考えます。


